トイプードルにワクチン予防接種は必要?注意点も一緒に解説!

念願だったトイプードルを飼い始めました!
一緒に旅行も行きたいし、ドッグランデビューに、フリスビーで遊んだり…今からやりたいことが多くて待ちきれません!!
獣医師
とても楽しそうなことは何よりですが、外で思いっきり遊ぶ前にワクチンの予防接種は済んでいますか?
やったような、やっていないような。
でも、室内で飼育しているし、周囲の環境も綺麗ですよ!
獣医師
確かに、清潔に保っておくことはとても大事ですね。室内飼いであれば、外飼いよりはリスクが下がります。
しかしウイルスは目に見えません。室内飼いでも、誰かが訪ねてきた時や私たちが外出中に靴や衣服などにつけて持ち込んでしまうこともあります。
成犬であれば問題がなくても子犬の場合は、色々な病原体に対しての抵抗力が低く感染すると最悪、命を落としてしまうこともあります。
室内飼いだからと言って、安心はできないのですね…
獣医師
これからお散歩や外に行く機会が多くなればなるほど、ウイルスに感染するリスクが上がるので、よりワクチン接種は大事です。さらに、国から義務として接種する必要のあるワクチンもあります。

どんなワクチンの予防接種が必要なのかは、年齢や生活環境などでももちろん異なります。接種回数や時期、副作用なども合わせて、ご説明していきますね!

感染症とワクチンについて

ワクチンが大事であることは何となく理解できますが、実際にまわりのワンちゃんでかかった子がいないので、いまいち実感がなくて。実際、どのくらいの子が感染症のリスクがありますか?
獣医師
たしかに、実感しづらいかもしれませんね。
感染症の発症状況を調べた調査がありますので、ワクチン接種の考え方を踏まえてご説明します。

どのくらいの犬が感染症にかかっているの?

(引用:伴侶動物ワクチン懇話会)

獣医師
エリアごとの差はありますが、全国の動物病院の半数以上で、様々な感染症が診断されています。

(引用:伴侶動物ワクチン懇話会)

獣医師
一方で、ワクチン接種率を日本と海外と比べてみると、圧倒的に低いという現状になっています。

人間も同様ですが、70%以上の接種率で、その地域における感染症の流行を予防できると言われています。
以上の結果からも、いつ感染症が広まってもおかしくありません。

どんな感染症があるの?

  • 狂犬病
    全ての哺乳類に感染し、有効な治療法はありません
    発症した場合は100%死に至る怖い感染症です。感染動物から咬まれたりして感染します。初期は食欲不振や情緒不安の挙動異常がみられ、全てのものに咬みつくなどの攻撃性に変化し、末期には麻痺症状がみられ死亡します。

 

  • 犬ジステンパー
    人の麻疹(はしか)と同じ分類。くしゃみ、激しい咳などの呼吸器症状、下痢や嘔吐などの消化器症状がみられます。感染力、死亡率が高く、回復しても運動失調などの後遺症が残ることも。

 

  • 犬パルポウイルス感染症
    感染力が高く、特に子犬で死亡率の高い感染症。激しい水のような下痢や血便、嘔吐の症状がみられます。感染動物の排泄物や嘔吐物、汚染された環境から経口感染します。

 

  • 犬伝染性肝炎
    アデノウイルス2型感染症のウイルスと同じ属性です。感染動物の排泄物などの接触により感染します。子犬では重篤な症状を示すことが多く、発熱、下痢や嘔吐、腹痛などの症状がみられ、最悪の場合は死亡することもあります。

 

  • 犬アデノウイルス2型感染症
    ケンネルコフとも呼ばれ、症状としては咳が長い間みられます。犬かぜを引き起こす病原体他の1つと言われています。

 

  • 犬コロナウイルス感染症
    子犬では下痢や嘔吐を起こすが、多くは回復します。厄介なのは、パルボウイルスとの混合感染した場合、重篤な症状を呈します。成犬では、軽度の胃腸炎ような症状がみられます。

 

  • 犬レプトスピラ感染症
    いくつかの種類があり、症状も発熱や下痢などの軽度から黄疸や腎障害を起こす重度のものまであります。感染した犬やネズミなどの尿から皮膚や粘膜を通して感染します。人にも感染する人畜共通感染症です。

 

  • 犬パラインフルエンザウイルス感染症
    感染動物の咳やくしゃみによる飛沫接触によって感染します。咳や鼻水、発熱などのかぜのような症状がみられます。比較的軽度ですみますが、他のウイルスとの混合感染がみられた場合に、重篤な症状を引き起こします。

どうしてワクチンで予防が必要なの?

獣医師
どの感染症も、致死率や感染率が高くてこわい病気だからです。

治療すれば回復する感染症もありますが、感染するとワンちゃん自身はその辛さはもちろん、私たち飼い主にも大きな負担がかかります。例えば…

  • 他のワンちゃんへの感染
  • 死亡の可能性
  • 病気への心配や不安、看病の負担
  • 治療費
  • 入院費
  • 人への感染                 

などです。

ペット保険はワクチン接種で予防できる病気には、基本適用されません。

ワクチン
ワクチン接種で予防する考え方は大きく2つです。

  1. 発症させない
    もし、死に至る危険性が高い感染症などにかかっても、軽度で済みます。
  2. 感染源にさせない
    発症すると排泄物や鼻水などからウイルス排泄をして他の子へ感染させてしまう可能性があります。
    動物由来感染症があり、人間が感染症する恐れがあります。

 

ワクチン接種は、自分の子を守り、周りの子も守ることにつながります。

また、緊急災害時ではバックグランドが分からない集団が集まります。避難所では感染症の蔓延や衛生管理が重要になり、みんなが日頃から予防をしておくことで未然に防ぐことができます。

 

ワクチンでどうやって予防するの?

うちの子や周りの子を守るためにも、ワクチン接種が必要なことは理解できました。でも、ワクチンの中は何が入っているのですか?
獣医師
それでは、ワクチンそのものについてご説明しましょう。

ワクチンって何?

ワクチン
ワクチンは、感染症の予防に使われる医薬品のことです。

ワクチンの中身は、毒性を弱めた(弱毒化)り、毒性を全くなくした病原体が含まれています
これらを接種して体内に入れることで、病原体に対する武器や戦い方を記憶して、万が一体の中に病原体が侵入してきても、すぐに排除するように免疫が働いてくれます

この免疫の働きによって、軽い症状で済んだり、致死率の高い感染症でも生きながらえることができます。

ワクチンにはどんな種類があるの?

ワクチンには、国で打つように法律で定められている義務ワクチンと飼い主さんに任せられている任意でのコアワクチンノンコアワクチンがあります。

義務ワクチン コアワクチン ノンコアワクチン
狂犬病
犬ジステンパー
犬パルボウイルス感染症
犬伝染性肝炎
犬アデノウイルス2型感染
犬コロナウイルス感染症
犬レプトスピラ病
犬パラインフルエンザウイルス
ボルデテラ・ブロンキセプチカ
ボレリア
補足
コアワクチンとは、住むエリアに関わらず、すべての犬と猫が接種するべきワクチンのことを言います。

ノンコアワクチンとは、全くその感染症が存在していないもしくは感染リスクが非常に低い場合は接種しなくても良く、リスクに応じて接種するワクチンのことを言います。

獣医師
おおよそですが、混合ワクチンの種類と価格についてもお伝えしてますね。
混合ワクチン
ワクチンの組み合わせにより、2種や3種〜10種・11種まで様々です。
価格
狂犬病ワクチンは単体ワクチンのみで、3,000円程度です。登録料は別途費用がかかります。
2〜5種の混合ワクチンは、3,500円〜6,000円程度です。6種以上の混合ワクチンは、7,000円〜10,000円弱です。

ワクチンは1回だけ打てばいいの?

獣医師
ワクチン接種してから色々な感染症から守る予防効果は時間の経過と共に低下していきます。
予防効果を発揮できる一定ラインを下回らないように、定期的なワクチン接種が大切です。
それでは、ワクチン接種の時期についてご説明します。
幼子期
生まれたばかりの子犬は、免疫機能が未熟なため簡単に感染してしまいます。それを防ぐために、お母さんから初乳を介して抗体を移行させて(移行抗体)感染症から子犬を守ります
幼少期
この移行抗体は、徐々に消失していきます。
しかし、この移行抗体があるうちは、ワクチンを接種しても効果が抑えられてしまいます。また、移行抗体の持続時間は、個体差が大きいです。
そのため、複数回接種することで、徐々に子犬も自分で免疫を作れるようになります。初年度に複数回ワクチン接種をする理由はこのためです。
高齢期
高齢期になると免疫力徐々に下がっていき、若い時に比べると免疫力が上がりづらくなるという情報もあります。
そういえば、wasavaのガイドラインでワクチン接種は3年に1回の接種というような文言がありましたが、実際はどうなのですか?
獣医師
そうですね。確かに、そのような記載があります。
気をつけていただきたいことは、全てのワンちゃんで当てはまるわけではないという点です。
1. 日本のワクチン接種率は海外よりも低いこと
2. 個体差によって予防できるレベルまでの抗体の持続時間が異なること
3. 接種した混合ワクチンの種類にも、抗体の持続時間が異なることです。
そのため、抗体価検査ををするなどして、感染リスクを見極めた上で検討します。かかりつけの動物病院でご相談くださいね。

 

ワクチンを接種する前に

獣医師
ここからは、実際にワクチン接種をする上で気をつけることについて紹介してしていきます。

(チャンネル:トイプードル虎太郎
動物病院での注射が嫌すぎて必死に抵抗する犬が愛おしいw)

接種前

獣医師
ワンちゃんが健康な状態であることが大切です。

熱があったり、下痢や嘔吐があったりと体調が悪い時は、さらに体調を悪化させてしまう可能性があるため、接種することができません

簡単なチェックリストをご用意しましたので、ワクチン接種前に実施してみてください。

✅元気や食欲はあるか
✅妊娠中ではないか
✅熱はないか
✅運動後など興奮していないか
✅神経質ではないか
✅アレルギー体質ではないか
✅過去のワクチン接種で副反応が出たことはないか

接種後

ワクチン接種後は、副反応が出る可能性がありますので、ワンちゃんの様子を観察してご注意ください。

次回のワクチン接種の時期の確認も忘れずに実施しましょう。

注意ポイント

  • 安静にする
  • 激しい運動は避ける
  • シャンプーを控える
  • 数週間は、他の犬との接触を避ける

いつもと違う様子が見られた場合、すぐにかかりつけの獣医師にご相談ください。

副反応について

獣医師
人間でも幼少期にたくさんのワクチンを接種をしますが、副反応もあります。同様に、ワンちゃんでもまれにワクチン接種後に副反応を引き起こすことがあります。

軽度:注射した部位の腫れ、痛み

軽中程度〜重度:元気や食欲がない、嘔吐や下痢、ムーンフェイス(顔が腫れる)、全身の痒みや発赤、ショック症状

ごくまれに、急性のアナフィラキシーショックを起こすと、重篤な場合、死亡することもあります。

補足
アレルギー体質があったり、過去のワクチン接種にて副反応が起きた経験がある場合は、他のワンちゃんよりもワクチン接種による副反応が起こりやすい可能性があるため、事前に獣医師にご相談ください。
また、服反応が起こっても動物病院で対応してもらいやすいように、ワクチン接種は午前中に実施することをオススメします。

まとめ

特に子犬の時期は、免疫力が大人に比べると低く、色々な感染症のリスクがあります。成犬になってもお散歩や他の犬と接触したりとリスクがあるため、感染症から守るために、予防レベルに免疫を上げておく必要があります。高齢になると、免疫力が上がりにくくなります。

そのため、定期的なワクチン接種が自分も周りの子も守るために重要です。

また、ワクチン接種には稀ですが、副反応があります。副反応がみられた場合は、すみやかに動物病院ご相談ください。

元気食欲があり健康な時にワクチン接種をすることはもちろん、接種後も安静にして、様子を観察しましょう。

しっかりワクチン接種で予防をして、楽しい生活をお過ごし下さいね。

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