トイプードルの尻尾が短いのは何故⁉カットする理由とは⁉

この間トイプードルのことを調べていたら、元々は尻尾が長いのを生後まもなく切り落とすケースがあると言うことを知って、ギャーッってなりました。

今までは、犬それぞれの個体差でしっぽの短いワンちゃんと長いワンちゃんがいるんだなって言うくらいの認識しかなかったので…しかし、実際には手術で短くしてしまっているケースもあるなんて知りませんでした。

善し悪しは別として、なぜ尻尾を切ることになったのか調べてみたら、ヨーロッパではトイプードルの断尾は300年近く前からの慣習だと分かってビックリしました。ということで、今日はなぜ尻尾を切ることになったのかをご案内させていただきます。

 

断尾の歴史

まず、尻尾を切ることを断尾(”だんび”、または”だんお”)といいます。断尾する理由は色々とありますが、主な理由は以下の通りです。

  • 迷信
  • 税制
  • 使役犬
  • 医学的
  • 人為的

それぞれについて説明していきます。

迷信

ヨーロッパにおいては断尾が狂犬病を予防し、背筋と瞬発力を強化し、外敵と争う際の怪我を予防するという迷信が広く信じられており、ワンちゃんのしっぽを切り落とすことが慣習化していました。迷信って怖いですよね。ただ、怪我の予防という点では一理ありますよね。

税制

イギリスでは、ジョージ王朝時代(1714~1830)の始めごろ、しっぽのついた愛玩犬に対して課税されたことから、節税目的で非常に多くの種類の犬が断尾の対象となったようです。1796年、この税制は廃止されましたが、なぜか断尾の慣習だけは残りました。

使役犬としての断尾(猟犬や闘犬、番犬、介助犬など)

トイプードルの原型のプードルはれっきとした猟犬です。

例えば、猟犬はしっぽを左右に振りながら深い茂みや藪の中を移動すると、途中でとげの付いた植物や、木の枝などと接触して擦り傷を作り、そこから病気にかかる危険性があります。

また狩猟時に、犬が興奮して尾の振りで音を立て、獲物に気付かれるのを防ぐため。(この理由から原則として断尾を禁止しているイギリスでも、テリアやスパニエルは断尾が認められています)。

それに関連して牧羊犬は、家畜の群れを統率する際、牛やウマやヒツジにしっぽを踏みつけられて怪我を負う可能性があります。

使役犬(ワーキングドッグ)の断尾や、断耳はローマ時代まで遡るそうです。

でも、使役犬の断尾は理にかなってますよね。

医学的なもの

しっぽは肛門の近くにあるので、毛の長いワンちゃんはしっぽの毛も長い特徴があるためウンチがつきやすく、不衛生になるという側面もあります。特に屋外で飼われているに犬の場合、尻尾に付着したうんちによる汚染から、ウジ虫が湧いたり、皮膚病につながるケースもあるので、断尾がされたそうです。

人間の都合

最後は各犬種には、一般的に犬種標準(スタンダード)と呼ばれる、”人間が決めたその犬の理想的な姿”を規定した基準があります。この犬種標準に犬の姿を合致させるために断尾するケースがあります。

ここまでのまとめ

上述のように、歴史的背景や使役犬としての使命、医学的なものや、犬種標準(スタンダードと呼ばれる、その犬の理想的な姿を規定した基準があります。)に合わせるために断尾するということが分かりました。

 

現在の断尾について

現在では猟犬や牧羊犬以外に断尾を行う必要は全くないということです。

ヨーロッパでは動物愛護の観点から、犬の断尾・断耳などが禁止されている国も多いです。
イギリスでは例外として猟犬であるテリアやスパニエルの断尾が認められているものの、ほかの犬種でが断尾が禁止されています。

そのほかにはオランダ、ドイツ、フランスなど多くの国で断尾が禁止されています。イギリスでは、世界最大級のドッグ・ショーである”クラフト展”で、断耳と断尾をした犬の出展が禁止されています。

それに対して、アメリカにおいては、獣医師会は美容目的の断尾は動物虐待にあたるとして否定的な見方をしていますが、純粋犬種の犬籍管理などを行うアメリカンケネルクラブ(AKC)では容認されています。

日本でも毎年春にイギリスで開催されるクラフト展に所有する犬を出展するブリーダーが多いことや、国際畜犬連盟(FCI)でも断耳と断尾を禁じているため、近年はどの犬種でも断耳と断尾を行わないブリーダーが増えています。

 

日本で断尾をする理由

それは前述の犬種標準に合わせる”美容的背景”によるものです。

日本ではトイプードルを狩猟目的で飼育されている方は、殆どいないのではないでしょうか?

そんな中で断尾をするというのは、ジャパン・ケネル・クラブ(JKC)では断尾について明確に否定しないので、日本のトイプードルの犬種標準には未だに断尾するケースが残っているんです。

 

犬の断尾の方法

断尾は、生後10日までにブリーダーや獣医師が麻酔なしで行います。メスやハサミでカットする方法もあれば、尻尾をキツくゴムでとめて血流を遮断し壊死させることで断尾する方法もあります。

また、生後間もない子犬は痛覚が未発達という不明確な根拠で、リスクのある麻酔はかけずに、そのまま切ってしまいます。

(少しショッキングな映像が流れますのでご注意ください)

10年以上前からヨークシャー・テリアの断尾をしていないブリーダーさんは、子犬の誕生前に断尾を希望して予約する方に、無麻酔で断尾された子犬の昔の映像を見せるそうなのですが、キャーンキャーンと悲鳴をあげてのたうちまわる子犬たちを見ると、みなさん『やっぱり、断尾しないでいいです』と言うそうです。

そうですよね。これはジャック・ラッセルテリアのものですが、こんな動画を見てしまったら、安易に断尾をする気持ちはなくなりますね。

 

断尾のメリット

いろいろと調べてみましたが、残念ながら病気にかかりにくくなるとか、寿命が延びるというようなメリットは見つかりませんでした。

唯一のメリットは、”見た目がかわいい”、”カットのバリエーションが増える”ということ位でした。
しかし、明らかに人間側の都合ですから自分の意見から言わしてもらうとメリットはないのかなと思いました。

 

断尾のデメリット

  • 尻尾がないことで、生きていく上での様々な障害も存在します。
    犬の尻尾は、泳ぐときや走るときなど、バランスや平衡感覚を保つ働きがあります。
  • 私達飼い主が犬の尻尾の高さや振り方などを見て喜んでいたり、興奮していたり、怯えていたりするのを感じ取ることができますが、尻尾がなければ様々な感情を感じ取るのは難しくなります。
  • 同じように、断尾されていない犬からすると尻尾で意思疎通が出来ないので、警戒されることがあるそうです。
  • 断尾されたことで、失った部分に痛みを感じる幻肢痛などの症状も心配されます。

 

まとめ

  • 使役犬以外の断尾以外には、なんとなく続いてしまった歴史的背景や、犬種標準に合わせるといったもので、明確な理由がないです。
  • 日本で断尾する場合、断尾の経験がある動物病院で施術しないと、感染症などにかかる可能性があります。
  • 断尾は見た目を良くするという以外のメリットがなく、人間や他のワンちゃんとのコミュニケーションがとりづらくなります。

といった上記の理由から、やはり人為的都合によるものがほとんどですね。そう考えると何が重要でワンちゃんのためになるのか、とても考えさせられることだなと思いました。

私自身、ワンちゃんには幸せに暮らしてほしいと思いますし、ましてや痛い思いをさせたくないというのが大前提です。自分の子供だったらと思うと尚更でしょう。

そういったことも踏まえて今一度、歴史的背景とか人間による都合とかいろんなケースを見つめ直して考えていかなければいけないですね。みなさんにとっても今回の記事がそういったことを考えられるきっかけになれば幸いです。

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