【トイプードル】糖尿病の治療方法5選!寿命に影響する?  

先日、友人のワンコが水を多く飲むようになったり、おしっこの回数が増えて心配だから、動物病院に診察に行ったそうです。
その時に糖尿病と診断されて、とても落ち込んでいました…
獣医師
そうでしたか…。
誰だっていきなり言われてしまったら、ビックリしてショックを受けてしまいますよね。
そういえば、うちの子ももうすぐ8歳です。元気に見えてもシニアの分類に入るから、心配になってきました…。
糖尿病について色々教えてください!
獣医師
もちろんです!
まずは、病気を知らないと始まりません。
早く異常に気づいてあげることができれば、糖尿病とうまく付き合っていくことができます
それでは、糖尿病についてご説明していきますね!

犬の糖尿病とは?

獣医師
まずは、糖尿病という病気について知っていきましょう。

膵臓で作られるインスリンというホルモンは、エネルギー源として血液中に流れている糖を、からだの組織や細胞に供給するはたらきがあります。

犬の糖尿病の多くは、インスリンを作る細胞が減少したり、機能不全になることで、膵臓からインスリンの分泌が失われてしまうことで起こります。

すると、血液中の糖を組織や細胞にうまく供給することができず、血液中に糖が溢れかえっている状態になります(持続的な高血糖)。

その結果、おしっこの中にも糖(尿糖)が出てきてしまいます。

単純にそれだけで終わるのであれば、問題になりません。
この状態が続くことでしんどい症状を引き起こしたり、感染症のリスクが上がる、最悪命に関わるため、治療していく必要があります。

糖尿病になりやすい犬種は?

なるほど。うちの子はトイプードルですが、なりやすい犬種や年齢などはあるのでしょうか?
獣医師
ありますよ。犬の糖尿病の有病率は、0.1〜0.3%と言われており、病気としては少ないかもしれませんね。

しかし、今お名前に出てきたトイプードルの他、テリア犬種、ミニチュアシュナウザーなどが後発犬種と言われています。

年齢を問わずに発症しますが、疫学的には8〜9歳が多い傾向にあります。また、ホルモンの影響で女の子の方が男の子よりも2倍多いという報告もあります。
そのため、女の子でまだ未避妊の場合、避妊手術が糖尿病の緩和につながることもあります

(Behrend,2018 Catchpoleら2005 犬と猫の内分泌ハンドブック参照)

どうやって診断するの?

トイプードルも後発犬種に含まれるのですね…。しかもうちのこ8歳だし…。
なおさら、しっかり勉強しないと!どうやって見つけることができますか?
獣医師
わかりました。ここからは、糖尿病の検査や診断についてご説明していきますね。
獣医師

一般的には、下記の3点が該当した時に糖尿病と診断しています。

  1. 糖尿病の臨床症状
  2. 持続的な空腹時高血糖(>180mg/dl)
  3. 尿糖

そのために用いられる検査が、

  • 血液検査
    血糖値や長期血糖コントロールマーカー(フルクトサミンやグリコアルブミン)の測定、膵炎などの併発疾患の有無
  • 尿検査
    尿糖の測定や感染症の有無

などです。糖尿病がコントロールできているかモニタリングする際にも、血液検査や尿検査は用いられます

また、必要に応じて下記の検査が実施されることもあります。

  • 眼下検査(白内障の場合)
  • 超音波検査(エコー検査)

糖尿病になるとどんな症状が出るの?

おしっこの中に糖が出たからすぐ糖尿病というわけではないのですね。実際に糖尿病になるとでる症状はどのようなものがありますか?
獣医師
そうですね。糖尿病以外の病気も十分あり得ます。犬によっては、動物病院に来たときのストレスで高血糖を示す子もいますので色々な検査を実施します。
ぼくたちが糖尿病になると、
よく水を飲む
おしっこの量が多い
よく食べるが、痩せる

白内障、食欲不振、嘔吐、下痢、脱水などの症状が現れるよ。
放置しておくと、ケトアシドーシスと呼ばれる緊急事態になることもあるから注意してね!

 

糖尿病の原因は?

獣医師
残念ながら、根本的な糖尿病の原因はわかっていませんが、糖尿病を発症させたり、コントロールがうまくいかなくなる要因としては様々あります。
  • 免疫介在性β細胞の破壊
  • 突発性
  • 先天性β細胞の欠損
  • 膵炎
  • 発情期や妊娠時の糖尿病
  • 内分泌疾患に続発する糖尿病
    (クッシング症候群、先端巨大症、卵巣疾患など)
  • 医原性
    (ステロイド製剤、プロゲステロン製剤など)
  • 感染症
    (膀胱炎、腎盂腎炎など)

※β細胞は、膵臓の中のインスリンを分泌する細胞のことです。

 

糖尿病を治療する1番の目的は?

獣医師
それは、血糖値をコントロールすることで、多飲・多尿や多食、体重減少などの症状を軽減し、合併症を最小限にすることです。
それが結果として、飼い主さんや犬の生活の質をあげることにつながります。[QOL(Quality of Life)の改善]

治療方法5選

糖尿病の症状が出ていないか、日頃からチェックしておきます!
そもそも、糖尿病を予防できないのでしょうか?
獣医師
残念ながら、直接的な予防方法はありません。
早期発見のためには、ある程度年齢がいったら定期的に健康診断を受ける、症状をチェックすることが大切です。
その他にも、ストレスの軽減、暴飲暴食を減らしバランスの整った食事、適度な運動を行い健康的な生活を過ごす、繁殖を考えないのであれば若いうちに避妊手術を行うことも大切です。

糖尿病になった場合の治療方法は、

  1. 食事
  2. インスリン
  3. 輸液
  4. 他の病気の管理
  5. 運動やストレス発散

の大きく5つからアプローチすることが出来ます。
それぞれ解説していきます。

食事療法

食事の基本は、一定の時刻に一定の内容と量を与えることです。それは、人と同じようにごはんを食べた後に高血糖になりやすいためです(食後高血糖)。

動物病院で処方してもらえる糖尿病用のごはんもあります。
消化のスピードを緩やかにするめに、低炭水化物や高繊維のつくりになっています。また、肥満や高脂血症に配慮して脂肪を控えめにしているものもあります。

おやつを与えるだけでも、血糖値のコントロールに影響します。
可愛くてつい与えたくなりますが、勝手に与えることはグッと堪えて獣医師に相談しましょう。

インスリン治療

犬の糖尿病では、インスリン治療が基本です。

それは、体の中で作られるインスリンの働きが不足しているため、体の外からインスリンを補う必要があるためです。
特に犬の場合、生涯インスリン治療が必要なことが多いです。

犬に使用されるインスリンは複数あります。合う合わないがあるため、それぞれの犬に適したものを作用時間などから選択していきます。

インスリン治療での注意点は、過剰投与による低血糖です。
元気の低下、ふらつき、震え、発作などの症状が見られたら注意です。応急処置の方法を事前に確認し、ブドウ糖液などを常備しておくと安心です。

補足
犬の状態が良かったとしても、定期的に動物病院へ通うことはとても大事です。血糖コントロールがうまくいっているか、合併症などはないか確認ができます。
また、初めのうちは注射に慣れなくて不安になることも多いと思います。糖尿病は気長に付き合っていくことが重要なので、不安や心配ごとは相談をして解消しましょう。

インスリン治療費はあくまでおおよそですが、インスリン代やシリンジ代、検査代などを含めると月に2万〜4万円程度かかります。

輸液治療

おしっこの量が増えると脱水を起こしたり、からだの中の電解質の異常が見られることがあります。
それを補うために、点滴を行います。

他の病気(併発疾患)の管理

糖尿病以外に発症している病気があると、インスリンが効きづらくなり、血糖コントロールがうまくいかなくなってしまいます。

そのため、膵炎、クッシング症候群など内分泌疾患、膀胱炎などの感染症がある場合には同時に治療をしていきます。

運動やストレスを溜めない

運動不足やストレスを日常的に感じていると、肥満や免疫力が下がり、他の病気を招きやすくなります。

適度な運動とコミュニケーションでストレスを溜めない生活が大切です。

 

まとめ

ありがとうございました。まずは、健康的な生活を送ることと、早く変化に気付けるように、体調管理には気をつけます!
獣医師
大事ですね。

糖尿病と診断されても、食事療法やインスリン治療で適切にコントロールができれば、予後は良好で、何年も元気な状態で生活しているワンちゃんもたくさんいます

まずは、早期発見のために、

  1. 定期的な健康診断を受けること
  2. 体調の変化をチェックすること

  ✅よく水を飲む
  ✅おしっこの量が多い
  ✅よく食べるが、痩せる       

が大切です。

気になることがあれば、まずは動物病院にご相談くださいね。

 

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