

うちの子もシニアになったら病気がちで・・・。認知症も心配だし、予防法とかあればいいんだけど。

そうだよね。少しでも長く一緒にいるためにはどんなことに何をしてあげればいいのかな?
犬の高齢化が進み、また小型犬・中型犬では人の4倍、大型犬では人の7倍の速さで年をとると言われています。
あなたの愛犬には
- 寝ている時間が長くなってきた
- 痩せてきた
- 口臭が強くなってきた
など、様々な症状が出てきていませんか?
シニア期に入ると若い頃に比べ、体力や免疫が落ちてきて様々な病気にかかりやすくなってきますし、犬の老化は思っている以上に速いスピードで進んでいきます。


と済ませずに、老化度と老衰度のチェックリストを活用し、愛犬の発するサインをキャッチしてあげましょう。
そこで今回は
- 犬の老化の仕組み
- 老化と老衰のチェックリスト
- かかりやすい病気・症状
など、徹底調査しました。
早く異変に気付ければいざという時に慌てなくて済みますし、老化や老衰に関しての正しい知識を身につけることによって病気の早期発見と正しい治療につながります。
目次
犬の老化の仕組み
「潜在寿命」と「活性酸素」
実は犬の老化のメカニズムについては未だ解明されていないと言われています。しかし細胞の修復や再生(複製)、減少が関係すると考えられています。
動物はその種固有の「潜在寿命」を持っていて、それを決めている要素の一つが活性酸素を処理する能力です。
「活性酸素」とは普通の酸素とは違い、電子の数と配置が不安定な形になっている酸素原子で、反応性が高く、いろいろなものと結びつき、効能もたくさんある一方で老化の原因にもなると言われています。
動物の体内には、「スーパーオキシドディスムターゼ」と言われる酵素があり、活性酸素の悪い作用を防止しています。そして、この酵素のレベルが高い動物ほど、潜在寿命が長くなり、ヒトはこの酵素のレベルがとりわけ高く、チンパンジーのおよそ2倍あり、チンパンジーの潜在寿命が50歳ほどに対し、ヒトは100歳以上まで生きられます。
2019年に一般社団法人ペットフード協会が行った調査では、犬全体の平均寿命の14.4才に対しトイプードルの平均寿命は15.2才で、他の犬種に比べて比較的長寿だと言えます。
老化と老衰の違い
一般的に小型犬・中型犬で10歳くらい、大型犬では7歳くらい、超大型犬では5~6歳くらいから、シニア期を迎えると言われています。
犬の老化が始まると
- ご飯の量が減る
- 散歩の途中で立ち止まったり、歩かなくなる
- 寝ている時間が多くなる
など人と同じような現象がみられるようになります。筋力の低下以外に消化機能や免疫力も低下するため病気にかかりやすくなったり、身体機能に影響が出てきます。
また、小型犬と大型犬とでは老化の進み方のスピードにも違いがあり、大型犬よりも小型犬の方がゆっくりと老化が進んでいきます。

老化の進み方は個体によりそれぞれ違いがあり一概には言えませんが、小型犬で13~14歳、中型犬で11~12歳、大型犬で10歳以上になると老衰になるのではと思われます。


老化度と老衰度のチェックリスト

それでは、実際に愛犬の老化、老衰度のチェックをしていきたいと思いますが、前項で説明をしていたように老化と老衰の違いには精神的な面も絡んでくることから明確に症状として表面的には感じれないものもあります。
そこで、チェックリストを用いて老化から老衰(精神的)に繋がってしまっている症状や明らかな老化現象などをさび分けするポイントをお伝えしていきたいと思います。
老化、老衰度をグループ分けで認識

皆さんの愛犬には上記のような症状は出てきていませんか?
というように、項目だけを見ていくとどれもこれも当てはまってしまって「老化なのか?」「老衰とした症状なのか?」判断に悩んでしまいますよね。
なにせ、これだけで見ても21項目ありますから!(笑)
なので、老化(機能的的要因)と老衰(精神的要因)とでグループを分けて考えていきましょう!
✅聴力が衰えてくる
✅白髪が増えた
✅皮膚の弾力が弱まった
✅口臭が強くなった
✅動きが鈍くなった
✅体や後ろ脚に震えが出る
✅寝ている時間が増えてくる
✅硬いものが食べにくい
✅壁や家具などにぶつかって歩く
✅病気が治りにくい
✅お腹のたるみ
✅食事量が減り、痩せてくる
✅お尻の筋肉の衰え
✅食欲が落ちる
✅散歩を嫌がる
✅階段や段差を嫌がるように
✅名前を読んだり、声をかけても反応しなくなる
✅粗相をする
✅下痢
というように、全21項目を、
- 老化(機能的的要因)14項目
- 老衰(精神的要因)7項目
に分類することでスッキリして把握しやすいですよね。
こういったように愛犬の老化、老衰の兆候をチェックリストを使って把握していきましょう。
そして、老化と老衰は密接な関係があり、特に老衰と言うのは死期が迫ってきている意味も含まれてきます。
老化が進んでいてもワンちゃん自体に生きる意志が強ければ多少の身体的機能が落ちても元気な状態を保てますが、死期が迫り老衰状態になると上記の7項目のような兆候が顕著に見られ介助がないと生きていけない状態になるでしょう。
特に動物と言うのはそういった感覚が敏感であり、飼い主さんとの絆が強ければ強いほどそういった傾向にあるようです。
友人のダックスは13才の時、脾臓の腫れと、鼻・首に腫瘍があることが分かりました。脾臓摘出手術の際、肝臓にも取りきれないほどたくさんの小さな腫瘍もあり、病理検査の結果、すでに癌が全身に播種(=飛び散ること)していて3~6か月の余命宣告を受けました。
脾臓を摘出した後は、まるで末期癌を感じさせないくらい元気になりました。しかし4か月が過ぎたころからまたにトイレが間に合わなくなったり、好きだったご飯やおやつを食べ残したりと行動に変化がみられるようになりました。
その後ご飯が食べられなくなり、目に力がなくなり、抱くとまるでぬいぐるみのように体重も軽くなって痩せてしまいました。ぐったりと自力で動くことが出来ない日が一週間ほど続き、そして家族の帰りを待っていたかのように、眠るように静かに息を引き取ったそうです。
シニアになるとかかりやすい病気

高齢になるとかかりやすい病気もあります。
主な病気には
- 白内障
- 甲状腺機能低下症
- 心疾患
- 腎疾患
- 糖尿病
- 癌・腫瘍
- 認知症
などがあります。
ここでは近年増加傾向にある認知症についてお伝えします。
犬の認知症

認知症は加齢により脳内の組織が死滅していく事で起こり、長寿の犬がかかりやすい病気と言われています。犬の場合は12才頃から発生する確率が高くなっていますが、認知症は見た目で判断することが難しいため発見が遅れがちになります。以下のような症状がみられた場合は認知症の可能性がありますので早めに対処しましょう。
- 狭い所に入りたがるが、後ずさりできない(身動きが取れなくなる)
- 食欲旺盛になる
- 生活のリズムが昼夜逆転する
- 部屋の中をぐるぐる歩き回る
- 名前を呼んでも反応しない、飼い主を見ても喜ばない
- 夜中に鳴いたり吠えたりする(夜泣き)
老衰と似たような症状がありますので、「ちょっと変かも」と思ったら動物病院に相談してみましょう。

注
飼い主にできること

年をとると臓器や細胞は少しずつ衰えていきます。今までと同じように生活していくことは難しくなります。そこで生活習慣の見直しが必要な場合も出てきます。
生活習慣の見直し
「老犬だから」と言って、散歩や運動をやめたりすると老化が進むと言われています。
もちろん、犬も人と同じく、思うように体が動かなくなったり、目や耳が悪くなるなど、これまでできていたことができなくなります。
しかし、無理に今までと同じ運動させることはせず、抱っこでも構いませんので短い距離の散歩に連れていくなどして、外に連れて行って刺激を与え、ストレスを避けることも必要です。
話しかける、マッサージやストレッチなどスキンシップでコミュニケーションを取り、たっぷりの愛情を注いであげましょう。マッサージやストレッチは体の異常を見つけることにも繋がるのでおすすめです。
また、老化を遅らせるため細胞のダメージを防ぐことも有効です。
そのためには抗酸化作用のある食べ物を積極的に与えます。
でも毎日食べ物で摂取するのは大変ですよね。
そこでスーパーフードを利用してみてはいかがでしょうか。
ビーポーレン
ビーポーレンは蜜蜂が集めた花粉から出来ていて、生きていくうえで必要な栄養素を約100種類も含んでいるといわれるスーパーフードです。栄養価が高く、
- アンチエイジング
- 滋養強壮
- 疲労回復
- 貧血
- 免疫力の向上
- 胃腸炎
などに効果があると言われています。
ビーポーレンはアレルゲンを除去する働きもあると言われていますが、アレルギーのあるワンちゃんは控えた方がいいでしょう
マヌカハニー
ニュージーランドに多く自生するマヌカの花から摂れた蜂蜜で、
- 抗酸化作用
- アンチエイジング
- 抗菌・抗炎症作用
- 免疫力アップ
- 虫歯・歯周病
- 癌
などに効果が期待できると言われています。
どちらもヨーグルトにトッピングして与えることが出来ますし、マヌカハニーは直接舐めさせても大丈夫です。
適度な運動と刺激
ストレスを避ける
ファイトケミカルを摂る
コミュニケーションを取る
オゾン療法
しかし、病気や体力面で運動が制限され、病気や生活習慣の見直しが難しい場合もあります。
そのような場合は「オゾン療法」がおすすめです。
オゾン療法とは、
オゾンガスを用いたさまざまな治療法の総称です。血液クレンジングやアンチエイジング、歯周病や皮膚の治療などに利用されています。従来の考えでは手術が適応でないパートナー、もしくは今までの治療プランでは効果が得られにくかった難治性疾患(腫瘍やアトピーなど)のパートナーにも用いることが可能です。
オゾン療法は日本では馴染みの薄いものですが、ドイツやイギリスでは30~40年の歴史があります。幼犬や甲状腺機能亢進症の子を除いて、副作用はなく安全なものです。人はもちろん犬における治癒効果は、世界中の多数の事例から確認されています。
参考までにオゾン療法を行っている主な動物病院の一覧を載せましたので、興味を持たれた方はぜひご覧ください。
- 甲状腺機能亢進症
- 妊娠している
- 子犬
は オゾン療法を受けられません。
まとめ

- 老衰とは老化に加え精神面なども含めた全身の機能が衰えること
- 認知症の症状が出始めるが進行を遅らせることも可能
- ストレスを避けるなど生活習慣の見直しが重要
- 見直しが難しい場合はオゾン療法も有効
犬は痛みや苦しみを隠そうとする生き物です。日々弱っていく愛犬の姿を見るのはとても悲しく辛いことですが、悲しむ飼い主を見る愛犬はもっと辛いはずです。
愛犬が穏やかな最期を迎えられるよう、また、いつか迎えるその日を後悔しなくて済むよう、このチェックリストが皆さんのお役に立てれば幸いです。
うちの子12才なんだけど、最近寝ている時間が多くなった気がするんだ。